春になると、体が先に気づきます
日本に来て8年になります。最初の数年は何もありませんでした。花粉症とは無縁で、春はただの気持ちいい季節でした。周りがつらそうにしていても、私はどこか他人事でした。
変わったのは5年目くらいです。
目がぼやけて、景色にピントが合わなくなりました。最初は視力が落ちたのだと思いました。鼻はいつもぐずぐずしていて、「また風邪かな」と軽く考えていました。鼻をかみすぎて、たまに鼻血まで出ました。さすがに少し怖くなりました。
それが花粉症だとわかったときも、正直あまり焦りませんでした。
薬を飲めば楽になると聞いても、なぜかすぐに頼る気にはなれませんでした。
体が本来持っている力で乗り越えられないだろうか、と思っていました。
毎年同じ時期に来るものなら、慣れるのではないかと。できれば薬なしで過ごせる自分でいたい。どこかで、そう思っていました。
ここ2年はさすがに病院へ行っています。でも、症状が出始めても、すぐには薬を使いません。少し様子を見ます。どこまでなら耐えられるのか、自分で試してしまいます。
今回の福岡出張もそうでした。
とても楽しい時間でした。海も山もきれいで、おいしいものもたくさん食べました。三連休もあって、少し旅のようでした。
でも、三連休の初日の夜。
急に目が熱くなり、涙が止まらなくなりました。くしゃみが続き、鼻が完全につまりました。息ができず、夜中に何度も目が覚めました。口で呼吸しながら天井を見て、「ああ、始まった」と思いました。
それでも、「もう少し様子を見よう」と考えていました。
これくらいなら大丈夫だと、自分に言い聞かせていました。
でも今回は、はっきり限界でした。
これは強さではなく、ただの消耗だと感じました。体がずっと緊張していて、全然休まらないのです。楽しい思い出の余韻よりも、息苦しさのほうが強く残りました。
私は、健康を軽く見ていたわけではないと思います。
ただ、「薬に頼らない自分」のほうが、どこか正しい気がしていただけです。
大阪に戻ってきました。
今日は病院へ行きます。ちゃんと薬をもらいます。
我慢することが必ずしも強さではないと、少しずつわかってきました。
体が出しているサインを無視しないことのほうが、もしかしたら大人なのかもしれません。
薬が効いてくれることを願いながら、今年の春を乗り切ろうと思います。