セミナーが苦手なまま、リスクを話した金曜日
金曜日、社内セミナーでリスクについて話しました。
そもそも私は、セミナーがあまり好きではありません。人前で話すのも得意ではないし、「ちゃんと伝えられていないな」と感じる瞬間がどうしても多くなるからです。話している途中で、自分の言葉がどこか浮いているような、そんな感覚になることがあります。
テーマを決めるときも、すぐには何も思いつきませんでした。しばらく考えても言葉が出てこなくて、結局メンターに相談して、「リスク管理にしてみたら」と言われ、そのまま決めました。その時点では、正直ちゃんと説明できる自信はほとんどありませんでした。
それでも、調べながらスライドを作っていく中で、少しずつ「ああ、こういうことか」と思える瞬間が出てきました。頭の中でぼんやりしていたものが、少しずつ形になっていく感覚でした。
例えば、リスクと課題の違い。言葉にしてしまえばシンプルで、リスクはまだ起きていないこと、課題はすでに起きてしまったこと。でも、実際のプロジェクトでは、この境界が曖昧なまま進んでいることが意外と多い気がします。
「あとで問題になりそうだな」と思っていたことが、そのまま何もされずに流れていって、気づいたときには課題になっている。振り返ると、「あの時点で気づけていたはずなのに」と思うことが何度もありました。
もう一つ、自分の中に残ったのは、リスクは“管理するもの”というより、“気づくもの”に近いという感覚でした。スライドでは発生確率と影響度で評価する話も入れましたが、実際にはそのスコア以上に、「それに気づいているかどうか」のほうが大きい気がしています。
特にBrSEの仕事では、小さな違和感ほど後から大きくなることが多いです。お客様がはっきり言葉にしていない引っかかりや、仕様が少し曖昧なまま進んでいる空気。そういうものは、その場では流せてしまうけれど、後からじわじわ効いてくることが多い。
「ちょっと難しいですね」と言われたとき、それが本当に少し難しいのか、それともやりたくないのか。「大丈夫です」と言われたとき、それが本当に問題ないのか、それとも場の流れでそう言っているだけなのか。そういう曖昧なニュアンスも、ある意味ではリスクなんだと思いました。
ただ、当日はそこまでうまく言葉にすることができませんでした。話し始めると頭が真っ白になる瞬間があって、準備していたはずの内容もうまく引き出せず、思っていたよりもずっと話せなかったです。
あとから振り返ると、もっと自分の言葉で話せばよかったなと思います。きれいに説明しようとしすぎて、結果的に少し遠い言い方になってしまっていた気がしました。
内容についても、SMの方がいくつか補足してくれて、「ああ、そこまで考えられていなかったな」と気づく場面がありました。自分の理解の浅さをそのまま見せられたような感覚でもありました。
それでも、一つだけ残ったものがあります。
「苦手だからやらない」ではなく、「苦手なままでもやる」という選択ができたことです。うまくできたとは思っていません。むしろ、できなかった部分のほうがはっきり見えています。
それでも、何も知らないところから調べて、形にして、人前で話すところまでやったという事実は、思っていたよりもちゃんと自分の中に残っていました。やる前とは少し違う場所に立っている感覚があります。
たぶん次も、同じようにうまくはいかないと思います。それでも今回みたいに、「わからないままでも一度やってみる」という選択は、これからもできそうな気がしています。